オンチェーン分析会社Santimentのデータによると、1万BTC以上を保有するビットコインウォレットの数が90に達し、半年ぶりの高水準となった。一方で、同じ期間に小口の個人保有者は売り越しに転じている。
過去8週間で新たに6つのアドレスが1万BTCの大台を突破し、この最上位層は7.1%増加した。より広く見ると、10BTCから1万BTCを保有するウォレット層、いわゆるクジラとシャークの層は、7月29日以降で約15億ドル相当のビットコインを積み増した一方、マイクロウォレットの残高は8月を通じて減り続けている。特に最大規模のアドレスに絞ると、1万BTC超を保有する層は過去2カ月で純増4万6,420BTCを記録し、3月15日以来の高い積み増しペースとなった。
小口保有者はなぜ売っているのか
Santimentの分析によれば、大口と小口の間に生じているこの乖離は、2つの不透明要因に起因するという。一つは、およそ1億2000万ドル相当のビットコインが流出したハードウェアウォレットColdcardの脆弱性を突いた攻撃、もう一つは米上院でのCLARITY法案の審議の長期化だ。同法案は9月14日に休会明けを迎え、9月15日前後に手続き上の採決が見込まれている。
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この2つの出来事は、よりリスクを避けたい小口保有者にはポジションを減らす理由を与える一方、カストディリスクや規制の不透明さに耐えやすい大口保有者は買い増しを続ける結果につながった。
「クジラウォレット」の実態には留保も必要
1万BTCを超えるアドレスの保有者が、必ずしも個人投資家とは限らない点には注意が要る。それだけの規模のウォレットは、取引所やカストディアン、ETF発行体が顧客資産をまとめて管理しているケースが多く、クジラウォレットの数の増加は、富裕な個人による新規の買い増しだけでなく、カストディ側の資産の組み替えを映している可能性もある。とはいえ、ウォレット数が半年ぶりの高水準に達し、同時に純増ペースも数カ月ぶりの高さを記録するというこの変化の規模と一貫性は、そのアドレスを最終的に誰が管理しているかにかかわらず、ビットコインの供給がより少数の大口の手に実際に集中しつつあることを示している。
今のところ、この構図が続くかどうかは、小口保有者が手放している供給を大口保有者が吸収し続けられるかにかかっている。この力学は過去にも、急激な上昇相場と、より薄く不安定な流動性が続く局面の両方の前触れとなってきた。