米国際貿易裁判所は2026年8月13日、トランプ大統領が低額輸入小包に対する「デミニミス(少額)」関税免税措置の停止を継続できるとの判断を下した。法的異議申し立てを退け、すでに小口小包の米国への流入方法を大きく変えてきた政策をそのまま維持する形となった。

デミニミス免税は、これまで800ドル以下の小包について正式な通関手続きなしに関税なしで米国へ持ち込むことを認めてきた制度で、SheinやTemuといったファストファッション系のEコマース事業者が、この仕組みを使って関税をかけずに大量の低価格商品を米国の消費者へ直接発送する上で大きく依存してきた。トランプ氏はまず2025年5月2日付で中国と香港向けの免税を停止し、続いて2025年8月29日付で対象を全世界に拡大した。関税逃れやフェンタニル・偽造品の密輸にこの制度が利用されているというのが、その理由として挙げられている。

Court Upholds Trump's End of De Minimis Tariff Exemption
Image via @BullTheoryio on X

法廷での争点

自動車部品小売業のDetroit Axleは2025年5月、トランプ政権を相手取り、国際緊急経済権限法の下では大統領に長年続いてきた法定の免税措置を一方的に撤廃する権限はないと主張して提訴した。これに対し司法省は、すでに発効している関税停止措置を解除することは、新たに関税を課すこととは法的に異なると反論し、裁判所は最終的にこの区別を認めて政権側の主張を支持した。

国境で実際に変わったこと

米税関国境警備局(CBP)は、免税停止が発効して以降、あらゆる輸入形態にわたって一貫した関税徴収を実施しており、800ドル以下の輸入品に対する免税措置は事実上無期限に終了している。ただし例外も残る。個人的な手紙、100ドル未満の正当な贈答品、200ドル未満の個人旅行用品は引き続き免税対象だと、CBP自身が公表しているファクトシートは説明している。財政面への影響もすでに大きく、CBPによれば2025年末までの時点でこの停止措置により10億ドルを超える関税収入が発生しており、2026年に入っても徴収額は積み上がり続けているという。

関連記事: 英当局とHTX、和解協議入り 高等法院は訴訟手続きを一時停止

最も打撃を受けるのは誰か

今回の判断が最も重くのしかかるのは、利幅の薄い中小の輸入業者や小売業者だ。一方でSheinやTemuのような大手は、この1年余りの間に小包単位の免税輸入ではなく、一括出荷や米国内の倉庫網を軸にした物流体制へと再構築を進めてきており、対照的な立場にある。国際貿易裁判所の今回の判断により、企業側がこの停止措置そのものに異議を唱えるための主要な法的手段はひとまず閉ざされた形となり、これを覆す道は裁判所ではなく議会に委ねられることになる。