暗号資産分野のMove-to-Earn(歩いて稼ぐ)系フィットネスプロジェクトの中でも比較的長く運営を続けてきたStep Appが、4年間のサービス提供を経て終了することを発表した。サービス終了日は2026年8月21日となる。同アプリは歩数や運動の記録とトークン報酬を組み合わせた仕組みで、ユーザーは歩いたり走ったりすることでKCALを獲得できるほか、ガバナンストークンのFITFIがステーキングやエコシステム機能を支えていた。運営チームによれば、これまでにダウンロード数は100万件を突破し、ユーザーが記録した歩数は累計で数十億歩に達しているという。
サービス終了の発表は、FITFIの価格に即座に反映された。トークンは約88%急落し、時価総額は6万5,000ドルを下回る水準まで落ち込んだ。ピーク時には1トークンあたり約0.73ドルまで買われ、IDO価格の0.0049ドルからおよそ150倍という上昇を見せていたことを考えると、大きな下落幅だ。
突然の崩壊ではなく、じわじわと進んだ失速
今回のサービス終了は、前触れなく突然訪れたわけではなく、いくつもの警告サインを経た末のものだった。Bybitは2026年4月の時点ですでにFITFI/USDTペアを上場廃止しており、流動性の細りを示す早い段階のシグナルとなっていた。さらに7月16日にはUpbitとBithumbも相次いで上場廃止を発表しており、正式なサービス終了が発表される前に、主要な取扱所のうち3つがすでに手を引いていたことになる。
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Move-to-Earnモデルが抱える構造的な問題
Step Appの終了は、Move-to-Earnというカテゴリー全体で2年以上前から繰り返されてきたパターンにそのまま当てはまる。このモデルは、新規ユーザーの継続的な流入に依存する仕組みだ。新規参加者の入金や活動が、既存の稼ぎ手への支払いを事実上支える形になっており、ユーザー数の増加が止まった途端、報酬を現金化しようとする売り圧力が残った需要を上回り、トークン価格、ひいてはアプリを続ける動機そのものが崩れていく。Step Appは4年という運営期間と7桁に達するダウンロード数を誇り、このカテゴリーの中では比較的長続きした部類に入るが、最終的には根底にある経済構造の問題に追いつかれた格好だ。これまで撤退していったほとんどのMove-to-Earnプロジェクトと、たどった道筋は変わらなかった。