米証券取引委員会(SEC)は、8月14日に予定していた会合を中止した。この会合では、一部の暗号資産投資契約を対象とした専用のオファリング(募集)制度に関する規則案が示される見込みで、業界関係者の間では「レギュレーション・クリプト」と呼ばれ注目を集めていた。SECは予期せぬ日程調整の問題を理由に挙げ、会合は改めて開催するとしているが、新たな日程は発表されていない。
レギュレーション・クリプトは、既存の証券規制に抵触することなくトークン発行体が資金調達できる明確な法的道筋を用意する構想として位置づけられてきた。多くのプロジェクトが長年、グレーゾーンでの運営を強いられてきたギャップを埋める狙いだ。今回の中止についての報道によれば、構想自体が撤回されたわけではなく、あくまで延期という扱いだという。とはいえ、再開の日程が示されないままでは、発行体側は当面の見通しを描けない状態が続く。
先送りが続く米国の規制トラック
今回の中止は、上院がCLARITY法案を採決しないまま5週間の休会に入って数日後というタイミングで起きた。CLARITY法案は、デジタルコモディティに対するCFTCの明確な管轄権を定めるデジタル資産市場構造法案で、その討論終結(クローチャー)採決は上院議員が休会から戻った後の9月15日に改めて予定されている。SECが別途進めている暗号資産のトークン化ルールを緩和する「イノベーション・エグゼンプション」構想も、ウォール街の一部やホワイトハウスからの反発を受けて延期が繰り返されている状況だ。
関連記事: 中国人民銀行、月央では初の流動性供給 520億ドル相当を注入
この2つのつまずきを合わせて見ると、米国の暗号資産政策は立法・規制の両トラックともに、業界が2026年後半に期待していたペースより遅れて進んでいることがうかがえる。シティグループのジェーン・フレーザーCEOのような大手銀行幹部が公にCLARITY法案の成立を議会に働きかけている最中でも、その足並みは揃っていない。