SEC(米証券取引委員会)のマーク・ウエダ委員は今週の公の場での発言で、前政権下における同庁の暗号資産対応を痛烈に批判した。バイデン政権時代のSECが実際に狙っていたのは「暗号資産が米国に到達するのを止めること」だったと述べたのだ。ウエダ氏はこの時期を「摘発による規制」と表現しており、この言い回しはこの2年間、公表されたルールではなく訴訟によって許される行為とそうでない行為を業界に伝えてきたSECのやり方を指すために、氏が繰り返し用いてきたものだ。

この批判はウエダ氏にとって目新しいものではない。同氏はこれまでもSECの過去の暗号資産対応を「大失敗」と呼び、業界が実務で頼れるような意味のある指針を委員会が一度も示さなかったと主張してきた。企業側はコンプライアンス要件を推測するか、事後に法廷で争うしかなかった、というのがその見立てだ。

SEC's Uyeda Says Biden-Era Strategy Was to Keep Crypto Out of the US
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発言の背景には具体的な政策転換がある

これまでの批判と違うのは、今回の発言がSEC自身の正式な一歩からわずか3日後に出ている点だ。2026年8月18日、委員会は「レギュレーション・クリプト・アセッツ」案を提案した。これはデジタル資産が絡む一定の投資契約について専用の募集枠組みを新たに設けるルールで、ウエダ氏が長年不足していたと主張してきた種類の積極的な指針にほかならない。このタイミングにより、今回の発言は抽象的な批判というより、委員会自身が今まさに進めている政策転換についてのコメントという性格を帯びる。

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今週はワシントン全体で規制姿勢の転換が相次いだ

ウエダ氏の発言は、イリノイ州が独自の暗号資産取引税をめぐり業界団体から2件目の訴訟に直面していたのと同じ週に飛び出した。暗号資産をめぐる政策が複数の戦線で同時に争われ、書き換えられつつある様子がうかがえる。連邦レベルのルール整備が業界に歩み寄る一方で、州レベルでは新たな課税を試みる動きが続いている。トランプ大統領が議員たちにクラリティ法の可決を働きかけていることや、CFTC(米商品先物取引委員会)が独自の権限のもとで並行して暗号資産の枠組み作りを進めていることも、この連邦側の流れにさらなる勢いを与えている。

業界にとって何を意味するか

業界の擁護者ではなく現職の委員からの発言だけに、それなりの制度的な重みを持つ。取締り優先の時代を自ら誤りだったと公に認める姿勢が、SECの現指導部のなかに広がりつつあることを示唆している。単なる党派的な物言いにとどまらない、ということだ。それが実際により速く明確なルール制定へとつながるのか、それとも古いやり方の失敗を認めるだけの言葉にとどまるのかは、レギュレーション・クリプト・アセッツのような案がどれだけ早く最終化へ向かうか次第だろう。