マイケル・セイラー氏が率いるビットコイン特化企業Strategyは、自社のUSD Reserve(ドル準備金)が過去最高を更新したと発表した。発行済み優先株および債務にかかる配当・利払いの2.3年分をカバーできる水準に達しており、同社が自ら定める「最低1年分」という下限を大きく上回る規模となる。

今回の開示は、ここ数週間で急速に積み上がった準備金の到達点だ。セイラー氏は7月下旬時点でこのファンドが25億5,000万ドル(約17.4カ月分に相当)だったと明かしていたが、その後5億2,500万ドルの追加積み増しで37億5,000万ドル、2.1年分の水準まで拡大した。8月2日前後に示された同社の数値では約40億ドルに達しており、今回報告された2.3年分という数字とも整合する。

Strategy's USD Reserve Hits All-Time High, Covering 2.3 Years of Dividends
Image via @Strategy on X

用途を限定した緩衝材、一般運転資金ではない

Strategyはこれまでも、USD Reserveの目的を明確に限定してきた。優先株と債務にかかる配当・利払い費用をカバーすることに特化した資金であり、自由に使える運転資金として位置づけているわけではないという点だ。同社は今後もこのファンドを最低12カ月分の水準で維持する方針を示しており、現在の2.3年分という緩衝は、自ら課したその下限を大きく超えるゆとりを持っていることになる。

準備金の積み増しは、継続的なビットコイン売却と並行して進んでいる。Strategyは8月2日終了週に約1,638BTC(約1億470万ドル相当)を売却したほか、300万株超の普通株を発行して約2億9,060万ドルを調達した。変動利付シリーズA永久ストレッチ優先株(STRC)を支える流動性強化に向けた、より広範な資本戦略の転換の一環だ。同社はビットコインと株式の売却により強く依存しながらも、STRCの配当を12%で据え置いており、これは保有するビットコインをほぼすべて無期限に保持し続けるという従来の姿勢からの明確な方向転換と言える。

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Strategyは依然としてバランスシート上に約84万3,775BTCを保有し、企業によるビットコイン保有では引き続き圧倒的な最大手であり続けている。それでも専用の現金緩衝を重視する姿勢が強まっていることは、長年続けてきた買い増し戦略と並行して、優先株主に対する短期的な支払い義務を優先し始めていることを示している。