XRPレジャーに対する一連の改正案により、機関投資家は5.3億ドルを超えるトークン化された現実資産(RWA)について、アカウントやトークンの種類をネットワーク上で引き続き可視化したまま、トークン残高と送金額を暗号化できるようになる可能性がある。目玉となる「Confidential Transfers」は、提案されているXRPLソフトウェアv3.3.0リリースの一部で、実際の数値を明かすことなく取引の正当性を検証するために暗号学的証明を利用する。
CoinDeskによると、この機能はマルチパーパス・トークン(MPT)向けに設計されており、発行体・監査人・規制当局には取引の詳細への選択的なアクセスを与えつつ、一般には非公開のままにする仕組みだという。オンチェーン決済を必要としながらも、ポジションの規模や取引相手の残高を晒すわけにはいかない機関投資家を明確に念頭に置いた設計だ。
5.3億ドルの内訳
XRPLには現在、トークン化された現実資産(RWA)の総額として13.8億ドルが乗っており、今回の改正案が特に対象とするのは、リップルのRLUSDステーブルコインを除いて発行された5.3億ドル超の部分だ。このRLUSD以外の資産プールの内訳は、Ondo(2億1,260万ドル)、VERT Capital(1億1,610万ドル)、Archax(5,540万ドル)、ソシエテ・ジェネラル(1,160万ドル)となっており、RLUSD自体はレジャー全体のトークン化価値のうち8億4,570万ドルを占める。Confidential TransfersはBatch、Sponsor、Permission Delegation、Dynamic MPTなど、いずれも機関投資家向けの用途を想定した他の5つの改正案とあわせてパッケージ化されている。
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立ちはだかる80%のハードル
これらは自動的に有効化されるわけではない。XRPLの改正が発効するには、バリデーターの80%が2週間継続して変更を支持する必要があり、これは物議を醸すアップグレードがネットワークを分裂させることを防ぐために意図的に設けられた高いハードルだ。もっとも、この用途に対する機関投資家の関心は強いようだ。Aviva Investorsは2026年7月、米ドル流動性ファンドのトークン化株式クラスをXRPL上でローンチしている。2月にリップルとの共同プロジェクトを初めて発表してから数ヶ月後のことだった。
広がる機関投資家の取り込みの一環
今回の提案は、XRPLの機関投資家向け展開が拡大を続ける中で登場した。レジャー全体で表章される資産価値は40.6億ドルまで増加し、2026年3月には1日あたりの取引件数が300万件に達した。これは2025年半ばの平均のおよそ3倍に相当し、AMMプール、トークン化資産、RLUSDの決済フローがその原動力となっている。リップルはインフラ層への直接投資も進めており、ZILOやLicuidoといった企業を支援することでXRPLの機関投資家向け機能の拡充を図っている。リップルのモニカ・ロング社長は、年内にフォーチュン500企業の半数がデジタル資産戦略を導入する見通しを示している。Confidential Transfersがバリデーターのハードルを越えれば、パブリックレジャー上での決済に対して大手機関が挙げる最後の異議の一つ——取引規模や残高が競合他社に見えてしまうという懸念——が取り除かれることになる。