バイナンスが、VIPおよび機関投資家向け顧客をターゲットにした専用の利回りハブ「VIP Earn」を開始した。取引所によれば、標準のEarn商品と比べて最大20%高い年利(APR)を提供するという。この機能は、Simple Earnのロック型商品とオンチェーンの利回り商品を単一のポータルに統合したもので、別途の登録手続きは不要だ。

アクセスは、ティア1からティア9までのバイナンスVIPユーザーであれば自動的に付与される。対象銘柄はBTC、ETH、BNB、USDTを含む20以上のデジタル資産に及ぶ。より高い利率に加えて、対象ユーザーは標準のEarnインターフェースと比べて最大10倍という申込枠も得られるとバイナンスは説明している。

Binance Launches VIP Earn With Yields Up to 20% Higher
Image via @binance on X

狙いは最上位顧客の囲い込み

今回のローンチは、バイナンスが今年繰り返し用いてきたパターンに沿ったものだ。全ユーザー層に新たなインセンティブを開放するのではなく、VIPティアのアカウントに絞って利回りと申込枠の上乗せをまとめて提供する手法である。別途の申請を必要とせず、既存のVIPプログラムにVIP Earnを組み込むことで、単発のプロモーションキャンペーンよりも、摩擦のないアクセスの方が大口トレーダーの引き留めに効くとバイナンスは見込んでいるようだ。

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バイナンスは、上乗せされた利回りが保証されたものではなく、法定通貨ではなく暗号資産で支払われる点を明確にしている。つまりユーザーにとっての実質的なリターンは、対象トークンの価格動向と、バイナンスが標準のEarnベースラインを上回るプレミアム利率をどこまで継続して負担する意思があるか、その両方次第ということになる。

広がる利回り強化の流れの一部

VIP Earnは、バイナンスが並行して展開する他のインセンティブキャンペーン、たとえば先物担保として使う特定のステーブルコインに連動したAPR上乗せプログラムなどと軌を一にする動きでもある。これらを合わせて見ると、バイナンスは利回りの提供を、新規ユーザーの獲得施策としてだけでなく、カジュアルな先物トレーダーから最大級の機関投資家まで、ほぼすべてのアカウント層をつなぎ止めるためのレバーとして位置づけているようだ。