CFTCのマイケル・セリグ委員長は、たとえCLARITY法案が成立しなくても、当局として独自の暗号資産監督の枠組みを進めていく考えを示した。これは同氏が7月に発した警告をさらに強めた形だ。当時セリグ氏は、議会がこの法案を通過させられなければ、結局は各規制当局が「自分たちですべてのルールを書く」ことになると注意を促していた。今回は、議会を待ち続けるのではなく、CFTCがまさにそれを実行する用意があると明言した。

CLARITY法案は、暗号資産業界にとって長年の懸案である、CFTCとSECのどちらがどのデジタル資産を管轄するのかという問題に決着をつけることを目的としている。下院は昨年、同法案を可決しており、上院銀行委員会も2026年5月14日、15対9の賛成多数でこれを承認した。この採決では民主党議員2人が共和党側に加わった。それ以降、法案は上院本会議での採決を待ったまま膠着状態にあり、セリグ氏は以前から、議会が8月7日に休会入りする前の法案通過を強く求めてきた経緯がある。

CFTC Chair Selig: Agency Will Write Crypto Rules if CLARITY Act Fails
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法案が停滞している本当の理由

この膠着状態は、法案の中核となる枠組みそのものを巡る対立というより、付随条項を巡る党派間の争いが実態だ。民主党は、トランプ大統領一族の暗号資産事業に関連する倫理規定を法案に盛り込むよう要求している一方、共和党側は、そうした条項の追加は、CFTCとSECの間で規制権限をきれいに分けるという法案本来の目的から逸脱すると主張している。どちらの側も公に譲歩する姿勢を見せておらず、これが法案を何度も期限超過に追い込んできた要因だ。

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セリグ氏の主張と代替プラン

セリグ氏はこれまで、CLARITY法案を、デジタル資産規制において米国が世界の「ゴールドスタンダード」を打ち立てる好機だと位置づけ、現状の州ごとにばらばらなルールの寄せ集めが、州境を越えて事業を展開しようとする米国の暗号資産企業に実質的な損害を与えていると主張してきた。今回の発言は、その主張自体は変わっていないものの、議会を待つことへの忍耐が限界に近づいていることを示している。CFTCによる規則策定を最後の手段として扱うのではなく、議会が倫理規定を巡る対立を乗り越えられない場合の当局としてのプランとして、今や前面に押し出しているのだ。

業界が注視する理由

議会を経ないCFTC主導の枠組みは、CLARITY法案が実現していたであろう内容とはほぼ間違いなく異なるものになる。行政による規則策定は一般に、法律として成立した制定法よりも範囲が狭く、将来の政権によって覆されやすい傾向がある。議会ごとに揺れ動く各当局の個別ガイダンスではなく、長年にわたり恒久的で立法化された明確なルールを求め続けてきた業界にとって、セリグ氏が単独行動も辞さない姿勢を示したことは、具体的な規制プランであると同時に、議会に対する苛立ちの表れでもある。