ニューヨーク・タイムズは、World Liberty FinancialのガバナンストークンWLFIを1億ドル相当購入したUAE拠点のファンド、Aqua 1の背後にいる人物として、実業家のグレン"ボビー"・ジョウ氏を特定したと報じた。ジョウ氏は2021年に英国でマネーロンダリングの疑いで逮捕された経歴を持つが、起訴には至っていない。英当局はタイムズの取材に対し、2026年7月末時点で捜査は依然として継続中だと明らかにした。

同紙の報道によれば、ジョウ氏はUAEに拠点を移した後、暗号資産ベンチャーファンドWeb3Portを率い、トランプ氏の2025年1月の大統領就任直後にWLFIへの1000万ドル投資を発表していた。その後、英領バージン諸島に登録されていたWeb3Port傘下の法人はAqua 1 GP Limitedへと社名を変更し、その2週間後、Aqua 1ははるかに大規模な1億ドル分のWLFI購入を発表した。この1億ドルの資金がどこから出たのかは公表されておらず、そのうち最大7500万ドルはトランプ氏とその息子たちが支配する企業に渡っていたという。

NYT Ties $100M WLFI Buyer to Businessman Under UK Money-Laundering Probe
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WLFI側の回答

WLFIの広報担当デビッド・ワクスマン氏は、同社はすべての適用法を順守しており、業界標準を満たすか上回るコンプライアンス体制を維持していると述べた。ただし、購入当時にジョウ氏の資金の出所を把握していたかどうかについては言及しなかった。この資金の出所をめぐる未回答の問いこそが、今回の報道の核心にある。英国で未解決のマネーロンダリング捜査の対象という経歴を持つ人物が率いるファンドによる1億ドルのトークン購入であり、その一部が現職米大統領の一族が支配する事業体に流れていたという事実だ。

Aqua 1以前から続くパターン

ジョウ氏の経歴を遡ると、父親の会社に対しておよそ500万ドルの負債を抱えたまま事業再建に入った英国のフローリング会社や、後にトークン価値の大半を失った暗号資産プロジェクト、Caduceusへの関与も見つかる。これらが現在進行中の英国の捜査と直接結びついているという証拠は示されていないが、規模、タイミング、資金の出所の不透明さですでに疑念を招いている今回の購入に、さらなる背景を与える材料にはなっている。

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ジョウ氏は起訴されておらず、WLFIも今回の取引についていずれの規制当局からも不正を指摘されているわけではない。とはいえ今回の一件は、2025年の立ち上げ以来急速な資金調達を続けてきたWLFIに対して積み重なるコンプライアンス上の疑問リストにまた一つ加わる形となった。同プロジェクトが財政面でも政治面でもトランプ一族と密接に結びついたままである状況の中での出来事だ。