Bloombergの報道によれば、トランプ大統領は11月の中間選挙を前に、キャピタルゲイン税の減税を検討している。米国のキャピタルゲイン税率が大幅に引き下げられるのは2003年以来のことであり、実現すれば暗号資産を含むあらゆる資産クラスの投資家に影響が及ぶ、重要な税制転換となる。

この構想自体は数カ月前から共和党内でくすぶっていた。春以降、一部の共和党議員は、長期保有資産の取得価格をインフレに応じて引き上げることで課税対象となる値上がり益を実質的に圧縮する「キャピタルゲインのインフレ連動化」を推進してきた。その一派は、議会の立法を待たず財務省を通じて一方的に実施するよう政権に働きかけている。

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実際に恩恵を受けるのは誰か

イェール大学Budget Labの分布分析によれば、遡及型のインフレ連動化政策を導入した場合、所得上位0.1%の層は1人当たり平均約35万ドルの節税になるとされ、恩恵のほぼすべてが中間層の投資家ではなく高所得層に集中する。同分析は、完全遡及型のインフレ連動化を実施した場合の10年間のコストを1兆ドル近くと試算する一方、将来分のみを対象とする前向き型であればコストはおよそ1,700億ドルにとどまるとしている。

実施の時期と手法をめぐり割れる党内

共和党内では、減税を立法によって実現するか、大統領権限による行政措置で進めるかで意見が分かれたままだ。下院共和党の有力議員の一人は、これを幅広い税制パッケージに組み込むことに慎重姿勢を示している。こうした党内の意見対立に加え、中間選挙までの限られた審議日程も重なり、選挙前にトランプ氏へ経済面での成果をもたらしたい議員たちの後押しがある一方で、構想は宙に浮いたままとなっている。

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市場が注目する理由

これほどの規模のキャピタルゲイン減税が実現すれば、トランプ政権下でも屈指の影響力を持つ税制転換の一つとなり、株式や不動産、そして長期保有で含み益を抱える暗号資産のポジションについて、税引き後リターンを押し上げる可能性を秘めている。それが立法によって実現するのか、より限定的な財務省の規則変更にとどまるのか、あるいは中間選挙前には実現しないのか——この行方こそが、市場が今まさに織り込もうとしている焦点だ。