米国のスポットビットコインETFは8月19日、5億1,720万ドルの純流入を記録した。Farside Investorsが集計したデータによれば、これはこれらのファンドにとって約3カ月半ぶりとなる最大の日次流入額だ。この機関投資家買いの復調は、ビットコインが7万ドル台への回復を試すタイミングと重なり、ここ数週間続いていた不安定な資金フローの流れを反転させる格好となった。
この日の流入額のうち、BlackRockのIBITが2億8,470万ドルを占め、10種類あまり上場する商品全体の需要の半分以上を一社で吸収した。この偏りは今年を通じて見慣れたパターンになりつつある。IBITは、機関投資家が現物カストディではなく規制された器を通じてビットコインへのエクスポージャーを積み増す際の、事実上の標準的な入口として機能している。
一方、スポットイーサリアムETFは同じ日、比較的控えめな1,770万ドルの純流入にとどまった。ビットコインの機関投資家向けチャネルが、その次に大きい存在であるイーサリアムと比べても、いかに規模を拡大してきたかを改めて示す結果だ。イーサ関連商品はプラスの資金フローを記録してはいるものの、日々の売買代金で見ればビットコイン全体のごく一部にとどまっている。
乱高下続いたETF資金フローの1年
今回の8月の数字は、何よりもその対比によって際立つ。スポットビットコインETFは年央にかけて荒れた展開をたどってきた。4月には過去最高水準の一つとなる約24億4,000万ドルの純流入があったのも束の間、5月には反転して6日連続の資金流出局面に突入し、5月13日には当時1月以来最大となる6億3,500万ドルの単日流出を記録した。5月1日には一時、2026年で最も強い単日流入を記録していただけに、そこからの反転は鮮烈だった。8月19日の5億1,720万ドルは、これらの極端な水準には流入・流出いずれの方向でも及ばないものの、その反転以降では最も明確に、機関投資家が変動を見送るのではなく再びエクスポージャーを積み増す意思を示すシグナルとなっている。
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ETFと現物需要の違いが重要な理由
レバレッジをかけた先物のポジション調整や薄い板の中で起きる値動きとは異なり、ETFの新規設定には、公認参加者(AP)が実際にビットコインを調達しファンドに引き渡す作業が伴う。つまり流入額は、見せかけの相場ではなく、上場商品に実際に入ってきた資金を表している。アナリストたちはこれまでも繰り返し、この違いこそが単なるスポット価格の動き以上に機関投資家心理を測る信頼できる指標だと指摘してきた。特に、今年に入って急激ながら長続きしなかった上昇の多くが、需要主導ではなく強制決済主導だったと判明した経緯があるだけになおさらだ。
8月19日の数字が、蓄積局面への持続的な転換を示すものなのか、それとも荒れ続けるこの1年におけるもう一つの短期的な急伸に過ぎないのかは、月内の残り期間で流入が続くかどうかにかかっている。5月の例が示した通り、力強い1日だけの流入も、センチメントが変われば急速に反転しかねない。