米住宅市場で積極的に物件を探す購入希望者の数が、7月に過去最低水準まで落ち込んだ。Bull Theoryが紹介したRedfinのデータによると、市場に存在する購入希望者はおよそ96万6752人で、前月比2.5%減少した。一方、売り手はこの縮小した購入希望者層を大きく上回る規模で存在し、7月時点で活動中の売り手はおよそ146万3000人。両者の差は50万人近くにのぼる。
この不均衡は、先月の売り手数が買い手数を51%上回ったことを意味し、12月に記録した過去最大の差にわずかに届かなかった水準だ。Redfin自身のレポートによれば、市場で実際に物件を探す買い手が減っているにもかかわらず、交渉力はさらに買い手側へと傾いているという。
供給過剰ではなく需要の問題
Redfinのデータが示すのは、新規物件の急増ではなく、需要そのものの弱まりが今回の動きの主因だということだ。住宅ローン金利がこの1年で最高水準まで上昇したことで購入余力が圧迫され、加えて経済・地政学的な不透明感の広がりが、購入を検討していた層を様子見に追いやっている。つまりこの不均衡は、売り手が慌てて物件を出し始めたからではなく、今の価格や借入コストに二の足を踏む買い手が単純に市場から手を引いていることを映し出しているといえる。
主要都市圏の8割近くが買い手優位に
この傾向は一部の市場に限った話ではない。米主要都市圏のおよそ8割が、現在では買い手優位の市場に分類されており、その筆頭に立つのがマイアミで、売り手数が買い手数を154%も上回る。これにナッシュビルとテキサス州の複数の都市圏が続く。これほど広範囲に及んでいることは、以前過熱していた一部の地域市場が個別に落ち着いてきたというより、資金調達コストとマクロ心理に結びついた全米的な需要後退のパターンであることを示唆している。
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軟化する労働・住宅市場を映すもう一つのデータ
今回の記録的な買い手不足は、金利や雇用市場をめぐる不透明感の中で米国の家計が大きな資金負担を伴う意思決定を控えつつあることを示す、最近の一連のデータにさらに一つを加えるものだ。住宅市場を分析するエコノミストたちは、住宅ローン金利が緩和すれば買い手と売り手の記録的な差が縮まるのか、それとも高金利環境下での住宅購入への向き合い方そのものが構造的に変化した結果として、この差が定着していくのかを注視している。