中国人民銀行は、公表している以上のペースで金を買い集めているようだ。The Kobeissi Letterの報告によると、中国は6月にロンドンの相対(OTC)市場を通じて40トン超の金を取得した。これは2025年初め以降で2番目に大きい月間購入量であり、同月に中国人民銀行が公式発表した+15トンを167%も上回る数字だ。
公式統計が語るのは一部にすぎない
中国人民銀行自身が開示した6月の数値は14.93トン。これ自体、2023年以降で最大の単月増加であり、20カ月連続の購入報告という節目でもあった。この結果、公表済みの保有量はおよそ2,346トンに達している。この連続購入の記録は、北京がドル建て資産への依存を減らそうとしている明確なシグナルとして読まれてきた。だが、その数字とKobeissi Letterが指摘したOTC市場での購入総額との間にあるギャップは、公表されている連続購入の記録自体が実態を過小に伝えている可能性を示している。
過小報告は今回だけではない
実は6月は孤立したケースではない。World Gold Councilの分析では、中国の5月の実際の購入量は約48トンと推計されており、これは同月にPBoCが公式に開示した10トンのおよそ4.8倍にあたる。過去20カ月分を合計しても、PBoCが公表してきた購入量はわずか82トン。独立系の推計を重ね合わせるほど、この数字はロンドンのOTC市場に現れている購入規模から乖離して見えてくる。
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なぜ「帳簿外」で買うのか
正式な準備高への計上ではなくOTC経由での購入に頼ることで、中国は市場を動かしたり脱ドル戦略の規模をリアルタイムで示したりすることなく金を積み増せる。地政学的な緊張が強まるなかでドル建て資産への偏りを是正しようとする中央銀行にとって、購入ペースを控えめに見せることには二重の利点がある。買い進める価格の上昇を抑えられるうえ、あからさまな準備高シフトに伴う各国からの注視も避けられるからだ。