コインベースが、有料会員に対してビットコインを直接購入せずに積み立てる新たな手段を用意した。今週から、コインベースワンの会員はUSDC残高への報酬をステーブルコインではなくビットコインで受け取れるようになり、支払いも継続的な発生ではなく週単位のペイアウトに切り替わる。

Coin Bureauの報道によれば、コインベースワン会員は初月に6.5%の利率が適用され、週ごとにBTCで支払われるという。コインベース自身の発表でも、対象となる米国の会員が追加で1,000ドル分のUSDCを預け入れると、最大50万ドルのUSDC残高に対して1カ月間、年率6.5%の報酬が付与されることが確認されている。これは、USDCの貸し出しで得られる年率約7%や、ステーキング報酬でさらに最大15%上乗せされる既存の選択肢に加わる形だ。

Coinbase One Members Can Now Earn Weekly Bitcoin on USDC
Image via @coinbureau on X

還元の仕組み

仕組み自体はシンプルだ。すでにUSDCを保有している会員、あるいは残高に1,000ドル以上を追加入金した会員は、報酬の受取先をステーブルコインからビットコインに切り替えられる。報酬はUSDCで複利運用されるのではなく、週次でBTCに変換されて支払われる仕組みで、取引所に現金を置いているだけの会員にとっては、ステーブルコインの貯蓄機能がそのまま小口のビットコイン積み立て手段に変わることになる。コインベースは今回の展開を、カード利用額の最大4%をビットコインで還元する既存の「コインベースワンカード」と組み合わせており、同じ会員資格の中でBTCを受動的に積み立てる経路が二つ用意された形だ。

注意すべき条件

コインベースは、この6.5%という利率があくまで米国の対象会員に限定した期間限定オファーであり、同社の裁量で変更・撤回される可能性があること、また既に別のプロモーション利率を適用されている会員は対象外であることを明言している。初月を過ぎれば、報酬率は過去のプロモーションで3.5%前後だった通常のUSDC報酬水準に戻るとみられる。

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こうした設計は取引所のロイヤルティプログラムでは珍しくない。市場平均を上回る導入時の高利率で、眠っていたステーブルコイン残高をプラットフォーム上の収益を生む関係に引き込む狙いだ。

ビットコイン建て報酬拡大という大きな流れの一部

このタイミングは、取引所やフィンテック企業が現金やステーブルコインでの支払いよりもビットコイン建ての報酬に軸足を移すという、今年見られる大きな流れとも符合する。顧客は自ら能動的に買う資産よりも、受動的に受け取った資産の方を保有し続けやすいという読みがあるためだ。コインベースにとっては、ステーブルコインの利回り商品をビットコイン積み立て商品へと転換することで、取引手数料だけでなくロイヤルティ特典を巡る競争が激しさを増す中、月額30ドルのコインベースワン会員の継続理由をさらに強化する狙いもある。