ハードウェアウォレット「Coldcard」の脆弱性を突いたハッカーが、盗んだ資金のオンチェーン移動を再開した。ブロックチェーン分析会社Lookonchainによれば、新しいウォレットへ30.185BTC(約194万ドル相当)を送金したという。この攻撃者は脆弱性の発覚以来すでに2,055BTC超、約1億3000万ドル相当を盗み出しており、今回の送金はその手口がなお続いていることを示す最新の動きだ。
この脆弱性の根は5年前にさかのぼる。Coldcardを製造するCoinkiteが2021年3月に配布したファームウェアに、ビルド設定のミスが含まれていたのが発端だ。このミスにより、対象機種はハードウェア専用の乱数生成源ではなく、脆弱なソフトウェア乱数生成器でウォレットのシード(秘密鍵の元になる情報)を生成してしまっていた。つまり、この時期に生成されたシードは、欠陥の仕組みを理解した攻撃者であれば理論上予測可能だったことになる。
波状的に広がった盗難
攻撃は7月30日に始まった。攻撃者はわずか41分の間に1,196個のアドレスを空にし、当時のレートで約7020万ドル相当、約1,082.65BTCを奪った。ブロックチェーン監視筋はその後も4波にわたる盗難を確認しており、被害を受けたアドレスは5,200件超、被害総額は攻撃者が初回で見つけきれなかった脆弱なウォレットを掃討し続けたことで1億3000万ドルを超えるまでに膨らんでいる。
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ファームウェア修正だけではリスクが消えない理由
Coinkiteはすでにこのファームウェアの欠陥を修正しているが、脆弱なバージョンの下ですでにシードを生成してしまったウォレットにとって、この修正は何の意味も持たない。それらのシードは恒久的に危殆化したものとして扱う必要がある。セキュリティ研究者らは、2021年3月から修正までの間にColdcardをセットアップしたユーザーに対し、直ちに新しく生成したシードへ資金を移すよう強く呼びかけている。今回の送金が示す通り、攻撃者は初回の波で盗み尽くしたわけではなく、今なお脆弱なアドレス群を継続的に探索している最中だからだ。