Coldcardハードウェアウォレットの脆弱性を突いた攻撃で、犯人がどのように脆弱なアドレスを特定し資金を抜き取ったのかについて、新たな詳細が明らかになりつつある。決済企業Blockのエンジニア、クレイ・ギャレット氏によれば、犯人は独自に構築した追跡システムではなく、著名なブロックチェーン分析サービスの有料アカウントを使って送金元アドレスを照会し、一斉送金の調整を行っていたという。
今回の窃盗の規模は、発覚当初から大きく拡大している。木曜日に発生した最初の約3500万ドル相当の流出に続き、その後の追加の一斉送金により、被害総額は7000万ドルを上回った。

犯人はどのように資金を見つけたのか
ギャレット氏は、今回の解明につながった調査プロセスについて次のように説明した。「このパターンから、その後確認された仮説にたどり着いた。運営者は、著名なブロックチェーン分析サービスの有料アカウントを利用していた」。当該サービスの提供元は、先方の要望により公表されていないが、ギャレット氏によれば関係当局にはすでに通報済みだという。
この脆弱性は、2021年3月以降のファームウェアバージョン4.0.1以降を搭載したColdcard Mk3端末に影響する。対象機種はシード生成時に、専用のハードウェア乱数生成器を使う代わりに、より弱いソフトウェアベースの乱数生成にフォールバックしていた。この弱点により、特にダイスロールによるエントロピー追加や強固なBIP-39パスフレーズを設定していないシングルシグウォレットにおいて、ブルートフォース的な手法で秘密鍵を再構築できるほど、鍵の予測が可能になっていた。
Galaxy Digitalが単一犯行と確認
今回の窃盗のオンチェーン上の痕跡を追跡してきたGalaxy Digitalのリサーチチームは、取引のパターンを「異例」と表現し、一連の一斉送金は「すべて同一の攻撃者による犯行」であることを確認した。同社はビットコイン保有者に対し、脆弱なファームウェアで生成されたシングルシグのColdcardアドレスから資金を移動し、新たに安全な方法で生成したウォレットへ移すよう推奨している。
当初の想定を超えて拡大する被害範囲
当初はMk3系統に絞られていた報告も、その後拡大している。追加で発生した窃盗により、当初想定されていたハードウェアだけでなく、Coldcardの全モデルが同じ根本的な脆弱性の影響を受けることが判明した。Coldcardの開発元であるCoinkiteは緊急のファームウェア更新をリリースしており、影響を受けた可能性のあるユーザーに対し、アップデート自体を既に露出した鍵への十分な保護策とみなさず、パッチ適用済みの端末で新たにシードを生成し直すよう強く呼びかけている。