米住宅市場の冷え込みが新たな節目を迎えている。全米最大級の50都市のうち38都市で、住宅が売り出し価格を下回る水準で売れるのが常態化しており、売り出し価格を上回って成約する住宅の割合は全体のわずか25%程度にとどまる。2022年の55%から大きく落ち込んだ形だ。
50大都市圏のうち、依然としてコンスタントに売り出し価格を上回る成約が続いているのはサンフランシスコ、ニューヨーク、ボストンの3都市のみだという。CNBCの報道によれば、値引き幅が最も大きいのはフロリダ州とテキサス州に集中しており、マイアミやウェストパームビーチでは平均で売り出し価格の5%近く安く成約しているという。
9カ月連続の価格下落
売り出し価格割れの傾向は、より広範な価格軟化の流れとも一致する。全米の住宅販売価格の中央値は7月に前年比2.4%下落し428,950ドルとなり、前年比マイナスは9カ月連続となった。7月には売り出し中の物件の20%で売主が価格を引き下げており、6月の18.8%から上昇したものの、2025年7月に記録した20.6%はまだ下回っている。
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年初はさらに激しい値引きも
2026年に入ってすぐの時期は、価格引き下げの動きがさらに激しかった。2月には米国の売主の実に34.2%が売り出し価格を引き下げ、同月としてはこの10年余りで最も高い割合となった。価格を引き下げた売主の平均引き下げ幅は40,915ドル、率にして7.3%で、2月としては2023年以来最大の下げ幅だった。
背景にある構造変化
住宅ローン金利の高止まりと売れ残り在庫の積み上がりが重なり、過去2年にわたって主導権は着実に買い手側へと移ってきた。これにより、2021〜2022年のパンデミック期の住宅ブームを特徴づけていた「売り手市場」は終わりを告げている。ほとんどの主要都市圏で売主が売り出し価格を下回る条件を日常的に受け入れるようになっている現状は、一部の供給制約が続く沿岸部の市場が例外であり続ける一方で、買い手と売り手のバランス調整が落ち着くどころか、なお進行中であることを示している。