日本の2年国債利回りが今週1.614%まで上昇し、31年ぶりの高水準を記録した。市場では早ければ9月にも日銀が追加利上げに踏み切るとの見方が強まっている。ただし、この利回り上昇と歩調を合わせるように円も下落しており、対ドルで158円を突破。8月に入ってG10通貨の中で最も弱いパフォーマンスとなっている。
この円安には具体的なきっかけがある。日本の経常収支が6月に予想外の赤字に転じ、9,230億円の赤字を計上した。これは2025年1月以来初めての赤字で、市場が見込んでいた1兆5,120億円の黒字予想から大きく外れる結果だった。エコノミストの想定を2兆円以上も下回るこのぶれ幅は、すでに圧力にさらされていた通貨に重くのしかかった。
利回りは上がるのに、円は強くならない
この組み合わせは、一見すると不自然だ。利上げ観測を背景とした利回り上昇であれば、本来は通貨を下支えするはずで、さらなる円安と重なるのは奇妙にも映る。この食い違いは、市場が同時に二つの異なるストーリーを織り込んでいることを示している。一方では国内のインフレと成長データが日銀を金融引き締めへと押しやり、他方では経常収支のショックと全般的なドル高が、利回り上昇が本来もたらすはずの支えを上回ってしまっている、という構図だ。
すでに一度守りに動いた通貨
日本当局が円安に直接対応するのは、2026年に入って今回が初めてではない。Bloombergの報道によれば、日本の財務省と米財務省は今年すでに協調円買い介入を実施し、1ドル=164円前後だった水準を158円台前半まで押し下げていた。今回、通貨が再び滑り落ちてきた水準は、まさにその介入後の水準とほぼ重なる。同じ節目を再びテストしていること自体が、あの介入が恒久的な下値の支えではなく、一時的な緩和効果しかもたらさなかったことを示唆している。
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債券市場の反応は、利回り上昇が機関投資家のバランスシートを圧迫するという、地域全体に広がるテーマとも重なる。日本の大手生命保険各社は、歴史的な低水準から金利が上昇する中で、今年すでに数十億ドル規模の債券含み損を計上しており、9月に日銀が追加利上げに踏み切れば、この流れはむしろ加速する可能性が高い。
利回りの動きも通貨の動きもなお進行中であるいま、次の大きな試金石となるのは、日銀が実際に9月の利上げを実行するのか、それとも政策当局が様子見を選ぶのかだろう。円がわずかなデータのぶれにさえ敏感に反応してきたことを踏まえると、その判断の行方は注目に値する。