ストラテジーは8月3日から9日にかけてビットコイン1,690枚を1株平均64,262ドルで売却し、合計1億860万ドルを調達した。その全額をSTRC優先株の買い戻しに充てている。SECへの8-K提出書類で確認されたこの動きにより、同社の米ドル準備金は6億5,000万ドル積み増され、キャッシュの持続期間は143日延び2.7年となった。あわせてSTRCの暗黙のBTC信用スプレッドも10ベーシスポイント縮小した。8月9日時点でストラテジーは84万447枚のBTCと46.5億ドルの米ドル準備金を保有している。
この売却が明らかになったのは、暗号資産市場全体が広く調整局面に入った時期と重なった。発表直後にビットコインは64,500ドルを割り込み、暗号資産の時価総額全体は約300億ドル減少、約1時間のうちに5,000万ドル超のレバレッジロングポジションが清算された。もっとも、この値動きがストラテジーの定例的なトレジャリー調整によるものなのか、それとも市場全体の地合いによるものなのかは判然としない。
2020年以来最大となる年間売却の一環
今回の取引は、ここ6週間ストラテジーのトレジャリー運用を特徴づけてきたパターンの延長線上にある。同社は7月初旬以降だけで合計6,916枚のBTCを4億2,935万ドルで売却しており、その資金はビットコインの追加取得ではなく、利回り付き優先株であるSTRCの買い戻しにほぼ全額充てられている。今年これまでの他の売却分も合わせると、ストラテジーの2026年のビットコイン売却は通常のリバランスを超える部分だけでおよそ5,258枚に達し、同社が2020年にビットコインをトレジャリー資産として採用して以来、年間ベースで最大の売却量となっている。
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それでも差し引きでは積み増しが継続
売却が続いてはいるものの、ストラテジー全体のポジションは拡大を続けている。同社の開示資料を見ると、BTC保有量は2020年以降毎年増え続けており、2020年の70,470枚から2021年に124,391枚、2022年に132,500枚、2023年に189,150枚、2024年に446,400枚、2025年に672,500枚、そして2026年は年初来で84万447枚と、今年だけで実に約16万8,000枚の純増となっている。資産運用会社の一部がビットコインの年末までの上昇に強気な見方を崩していないのと軌を一にする動きだ。この純増ペースは、ストラテジーのフォン・レーCEO兼社長が今週フォックス・ビジネスのリズ・クレイマン氏に語った内容とも重なる。同氏は、世界最大の機関投資家としての地位を維持するため2026年に約17万5,000枚のビットコインを取得したと説明し、「我々はデジタル経済におけるJPモルガンだ」と述べ、STRC資金調達のための定期的な売却をバランスシート管理であって、蓄積戦略の転換ではないと位置づけた。今回の開示は、ストラテジーが2020年8月に初めてビットコインを購入してからちょうど6年の節目に重なった。