米国は中国製品に対し追加で7.5%の関税を課す準備を進めていると、Watcher.Guruがブルームバーグの報道を引用して伝えた。今回の措置が実現すれば、トランプ政権時代に導入された対中関税は再び20%前後まで押し上げられることになる。北京側はこれまで、その水準であれば現行の対米通商休戦の範囲内にとどまるとの見方を示してきたと、ブルームバーグの独自報道は伝えている。

今回掲げられている名目は「過剰生産能力」だ。米政府当局者は、鉄鋼や太陽光発電関連機器、EVといった分野で中国の製造能力が国内需要どころか世界的な需要すら上回っており、その余剰分が他国の生産者が太刀打ちできない価格で輸出市場に流れ込んでいると主張している。これまで政権がしばしば用いてきた「貿易赤字」という広い言い回しではなく、あえて過剰生産能力に焦点を絞ったフレーミングを選んだことは、今回の措置を貿易摩擦の新たな拡大というより、的を絞ったダンピング対策として位置づけたい思惑の表れとも読み取れる。

US Plans 7.5% Tariff on Chinese Goods Ahead of Trump-Xi Summit
Image via @WatcherGuru on X

米中首脳会談を前にした計算されたタイミング

今回のタイミングは偶然ではない。トランプ氏と習近平氏は9月24日にワシントンで直接会談する予定で、関税措置はその約1カ月前というタイミングで打ち出されている。この順序からは、首脳会談が終わってから新たな措置を突きつけるのではなく、会談前の時点で交渉材料をあらかじめテーブルに載せておきたいという米国側の狙いがうかがえる。

関連記事: アリババ、香港市場で株価10%急落 割引価格でのAI向け新株発行が引き金に

通商休戦の行方への影響

北京はこれまで、20%前後であれば政権2期目序盤にワシントンと交渉した既存の休戦の枠組みに収まる水準だとのシグナルを送ってきた。市場が注目するのはまさにこの点だろう。今回の引き上げがその「枠内」に収まるとみなされるのか、それとも「枠外」とみなされるのかによって、中国が報復措置に踏み切るのか、それとも首脳会談を前にした想定内の摩擦として受け流すのかが決まる。休戦がこの引き上げにもかかわらず維持されれば、リスク資産全般にとってはやや強気なシグナルとなる一方、中国が報復に動けば、9月の首脳会談には現在市場が織り込んでいる以上の下振れリスクが伴うことになりそうだ。